校長室より

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2016/06/06

総体剣道競技の応援に行きました

| by:校長
  2年連続の男子団体優勝,本当におめでとうございます。

  決勝戦は,昨年と同じく代表決定戦,しかも延長戦での勝利,まさに薄氷を踏む思いであった。
  
  副将戦が終わった時点で,1敗3分けのビハインド,後のない大将湯浅には並々ならぬプレッシャーが襲いかかっていたであろう。重圧の中,なんとか「コテ」で一矢を報い,5人すべての対戦が終了,1勝1敗3分けの五分の成績。勝敗の行方は,代表戦に掛かった。選手達の見守る中,監督から静かに大将湯浅に代表の声が掛かる。刹那,選手と監督から無言の期待を受けた大将湯浅には,再び大きなプレッシャーがのしかかる。いよいよ代表戦が始まり,手に汗握る展開。双方「メン」や「コテ」のかけ声で打ち込むが,いっこうに挙がらない審判の旗。全くの互角である。成り行きを見守る場内は,水を打ったかのように静寂然とし,応援する者すべてが息を止めている。時間を計測している時計のみが無感動に動き,やがて競技時間終了が告げられる。とうとう代表戦も延長戦になる。勝負の神様は,とことん戦わそうとしているのか,無慈悲な神様もいるものだと,恨めしくも思う。いよいよ延長開始,湯浅が緩んだコテの紐を締め直し,再会した直後,3人の審判全員の赤旗が挙げられた。一瞬を捉えた湯浅の「メン」が見事に決まったのである。そして,長き戦いの幕は降ろされた。しばらくは,敵の頭頂部に打ち下ろされた鈍重な響きだけが余韻として残ったが,それはやがて心地よい安堵感に変化した。

 剣道の道は険しといえども,勝利は一瞬。毎日の厳しい練習,仲間達と共に支え合って努力したこと,それが栄冠に繋がったと信じる。四国,全国でもさらに大きな花を咲かせてくれることを祈っている。
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